激戦の「日本の空」 8月には中国のLCCが就航
一部のメディアによると、日本の航空法では、国内の航空会社に対する外資の出資比率の上限を発行済み株式総数の3分の1(33.3%)までと定めているため、新生「エアアジア・ジャパン」は、エアアジアと楽天が33.3%ずつを出資。残りを2~3社の上場企業が持ち合う方向とされる。
また、拠点空港は、愛知県常滑市の中部国際空港が有力視される。エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOが2014年4月10日の新経済サミットの講演で、「羽田、成田はコストが高く、発着枠も限られている。LCCにはコストの安い空港が望ましい」と発言していた。
中部国際空港は、24時間運用でスポット数(発着枠)も多い。3月17日には、マレーシアに拠点を置くLCC子会社の「エアアジアX」のクアラルンプール便が新たに就航したばかり。接続すれば、マレーシア人観光客の日本国内の移動にも使えるなどのメリットが見込める。
とはいえ、航空事業がそう易々と採算がとれるとは思えない。国内のLCCは、ピーチ・アビエーション、バニラ・エア(旧エアアジア・ジャパン)とジェットスター・ジャパン の3社あるが、黒字を達成しているのは関西国際空港を拠点とするピーチだけ。しかも、14年3月期決算が11年2月の会社設立以来、初の単年度黒字(最終利益10億円)だったのだ。
そんなピーチでも、パイロット不足によって、2014年5~10月は約2000便を減便。「11月以降は外国人や自衛隊OBの採用で補う。減便があった上期でも前年を上回る便数を確保しており、下期はさらに伸ばせる」(同社)といった状況。8月には中国のLCC、春秋航空日本が就航を予定しているし、LCC以外にもANAや日本航空をはじめ、4社が日本の空を飛んでいる。
競争は厳しい。