関西では合意形成に1年以上かかり、首都圏では協議すら始まってない
改定の背景には、ガラ空きの優先席でメールを打っていた乗客がルールを理由に注意されてトラブルに発展する事例があり、ルールの合理性に疑問符がついていたことがある。関西の鉄道会社では13年1月の指針改定からほどなくしてルール見直しに関する議論を始めたが、ペースメーカーへの影響を懸念して慎重論を唱える社もあった。影響調査や合意形成に時間がかかり、改定から1年半後のルール見直しになった。
だが、首都圏で同様にルールが見直されるのは、かなり先のことになりそうだ。JR東日本によると、鉄道会社間で協議すら行われていない。JR東日本としても、現時点では現行のルールを維持する構えだ。仮にルール見直しに向けた動きが起こったとしても、各社が協議する場を新たに立ち上げるところから始めなければならず、紆余曲折が予想される。