「優先席付近では携帯電話電源OFF」。関西では、このルールが約10年ぶりに改められることになった。車内での通話は引き続きご法度だが、混雑しているとき以外は、優先席付近でもメールなどが使えるようになる。
第2世代携帯電話(2G)よりも第3世代携帯電話(3G)の方がペースメーカーや除細動器などの医療機器に影響を与えにくいとされる。2Gのサービス終了を踏まえて総務省が指針を見直し、ルールも見直されることになった。ただ、関西の鉄道会社の中にも慎重論があったといい、結論が出るまでに1年以上かかっている。首都圏は話し合いすら始まっておらず、ルール見直しは相当先のことになりそうだ。
「お客様の体同士が触れ合う程度」が「混雑時」の目安
関西では03年頃から鉄道会社ごとに独自にルールを定めていたが、04年2月から関西一円で「優先座席付近では携帯電話の電源をお切りください」と統一して運用している。首都圏でも03年9月から同様の統一ルールが運用されている。
このルールが、関西では14年7月以降「優先座席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください」と順次改められることになった。JR西日本と、関西私鉄の業界団体の関西鉄道協会が14年6月25日発表した。「混雑時」以外は、通話以外の携帯電話使用が解禁されることになる。「阪急名物」として知られていた「携帯電話電源オフ車両」も廃止される。
各社共通のポスターでは「お客様の体同士が触れ合う程度」を「混雑」の一応の目安にしている。車両によって混雑の度合いは異なるため、車掌が一律に「混雑しているので優先席付近では電源を切ってほしい」といったアナウンスはせずに、基本的には乗客の判断に任せる方向だ。