柿谷選手が倒されたとき主審もすってんころりん
主審を巻き込んだトラブルは、その後にも起きた。後半25分、柿谷曜一朗選手がボールを受けた時にコロンビアの選手が後ろから倒した。ところが同じタイミングで、プロエンサ主審が別の場所ですってんころりん――。走り込んできた日本の選手とぶつかって転倒してしまったのだ。
このシーン、中継で解説を務めていた松木安太郎氏はエキサイトし、
「ファールだろ。あっ、レフ……レフェリー、レフェリー見て。ファールだよ。もう、今のはーっ」
とイライラを爆発させたが、柿谷選手へのファールとも思えるプレーは主審の視界には入らなかったようで、そのままプレーオンとなった。
石井氏に聞くと、「ファールと言えばファールだった」との見方だ。一方で、試合中には審判の小さなミスは少なくないそうだ。主審が転んだのは不可抗力で、アンラッキーだったと諦めるしかない。
グループステージ敗退が決まった今となっては、もし主審が「見逃した」これらのプレーに対して「公平」なジャッジが下されていたら、そしてゴールが生まれていたら……。最終結果だけを見ると、同じ組の別の試合で「ギリシャがコートジボワールに1点差勝利」という日本にとって最高のシナリオとなっていた。点差に関係なく、勝てば16強入りできていたという事実に、悔しさは募らせるファンも多いことだろう。
日本は、運も白星も手にできずにブラジルを去ることになってしまった。