中小企業関係4団体は「断固反対」の立場を表明
だが、中小企業や赤字法人は負担増になるだけに、早くも強い反発が巻き起こっている。日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会の中小企業関係4団体は外形標準課税の適用範囲を中小企業に広げる議論に対して、「赤字法人175万社への影響が甚大」として「断固反対」の立場を表明した。
特に、政府税調法人課税DGの大田弘子座長らの発言も、中小企業関係者の反発を招いている。大田氏は外形標準課税を含む中小企業への各種課税軽減措置について「弱い企業を弱いまま守るのではなく、成長を支えるという観点から検討する」(毎日新聞5月9日朝刊)、「産業の新陳代謝が起き、収益力が高い企業が入ってくるように、旧来型の産業に有利な仕組みを変えるべきだ」(朝日新聞4月25日朝刊)と主張。政府税調特別委員の冨山和彦・経営共創基盤最高経営責任者も外形標準課税強化が「生産性の低い企業に退場を促す効果があり、産業の新陳代謝につながる」と言い切っている(日経新聞6月18日朝刊)。こうした非効率な中小企業淘汰論は競争重視の新自由主義に共通するものだが、「資金力、技術、親企業との取引条件や力関係など、大企業に比べて不利な立場に置かれ、また赤字でも、地域で雇用を必死に守っている中小企業が多いことを理解しない机上の空論」(中小企業団体幹部)と、小泉内閣の構造改革の時代から中小企業側からの批判が強く、今後の外形標準課税を巡る議論でも、論点になりそうだ。