賃金総額などに応じて課税
そこで考えられる課税ベースの拡大とは、各種の減税措置の見直し。「広く、薄く負担」などとも言われ、有力候補が地方税の外形標準課税だ。通常の法人税(地方の法人事業税も含む)は、利益に課税されるので、黒字企業のみ納めるが、現在、企業の7割が赤字なので、3割の黒字企業だけが法人税を負担していることになる。これに対して外形標準課税は黒字・赤字にかかわらず賃金総額などに応じて課税するもので、法人事業税の一部で導入されている。「赤字企業でも例えば道路などのインフラの恩恵は受けているから、相応の税負担をすべきだ」(財務省筋)という理屈だが、中小企業への配慮から、現在は資本金1億円超の企業に対象を限っている。政府税制調査会の法人課税ディスカッショングループ(DG)は6月25日、実効税率引き下げの財源として、外形標準課税拡大を明記し、税率引き上げ、対象を中小企業に広げることなどを盛り込んだ改革案を確認、27日の総会で正式決定する見通し。5月、実効税率引き下げの財源として、外形標準課税拡大の方向を示し、税率引き上げ、対象の中小企業への拡大などを検討。自民党税調も、同様の方向を示し、地方財政審議会(総務相の諮問機関)も外形標準課税を広げるべきだとする改革案を発表している。