すき家社長の「働きがいを共有したい」発言 ネットでは「夜中に一人勤務してやりがいある? 」と反発

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   牛丼チェーン大手の「すき家」を運営するゼンショーホールディングス(HD)の小川賢太郎会長兼社長が、アルバイト店員が採用できないなどの人手不足で営業休止になる店舗が相次いだことについて、「ご心配をかけて申し訳ない」と株主に陳謝した。

   すき家は2014年3月以降、順次210か店を閉鎖して「リニューアル休業」としている。6月24日までに、そのうちの91か店をオープンしたが、114か店は閉まったままだ。

「人手不足の問題が心配で出席した」

すき家の人手不足「休業」で、小川社長は株主に陳謝した(画像は「すき家」のホームページ)
すき家の人手不足「休業」で、小川社長は株主に陳謝した(画像は「すき家」のホームページ)

   ゼンショーHDが2014年6月24日に開いた株主総会で、小川賢太郎会長兼社長は「すき家」の経営状況を説明。そのなかで、アルバイト店員などの人手不足が原因で営業休止になる店舗が相次いだことについて、「ご心配をかけて申し訳ない」と陳謝した。

   店舗休業が売り上げダウンにつながり、得られるべき利益を会社も、株主も逸したからだ。

   すき家は、店員一人が接客から調理、片づけ、会計とすべての仕事をこなす「ワンオペ」と呼ばれる勤務体制があり、店舗によってはその状態で長時間勤務を余儀なくされたほか、2013年に発生した牛丼店への強盗事件(未遂含む)のうち、すき家を狙ったものが多かったため、警察庁が防犯態勢の強化を要請したこともあるなど、警備上にも問題があった。

   「ワンオペ」への不満がくすぶるなかで、2月には仕込みに手間のかかる鍋メニュー「牛すき鍋定食」の導入が重なり、ついにはアルバイト店員が見切りをつけていったとみられる。

   そんなことから、24日の株主総会も、「人手不足が社会問題となったので、心配で出席した」という株主は少なくなかったようだ。

   ゼンショーHDは人手不足への対策として、4月に外部の有識者による第三者委員会を立ち上げて労働環境の改善に向けた取り組みを開始。あわせて地域にあった賃金水準や労働条件の確保のため、全国7地域に分社化してそれぞれ約300店舗を運営する体制を整えた。

   とはいえ、経営説明後の質疑応答も「人手不足」に関連する質問があった。

   ある株主から、「賃金についての考え方」を問われた小川社長は、「(分社化によって)地域の実情にあった賃金を設定していく」考えや、きめ細かい人事管理を通じて働きやすい職場をつくることを改めて説明したうえで、「賃金だけでなく、(ゼンショー)グループで働くことで、たとえば迅速な商品提供や丁寧な接客など、社会に出たときの財産になるような働きがい、主婦の方でいえば、働くことでの生きがいを共有していきたい」などと話し、人手不足の解消に努めることを強調した。

   ゼンショーHDは、「アルバイトの多くは学生なので、そのような話になりました」という。

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