ユニクロ初の一斉値上げの背景 消費者意識が「価格重視」から「価値重視」にシフト

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   カジュアル衣料品チェーン「ユニクロ」が、初の一斉値上げに踏み切る。衣料品に使用される綿などの原材料高や円安による輸入価格の上昇を、製品価格に転嫁する。「デフレの勝ち組」といわれるユニクロの戦略転換は、デフレ脱却を象徴する出来事なのか。

   ユニクロを運営するファーストリテイリングはこれまで、生産の合理化などで原材料高を吸収してきた。だが新興国の需要増加によって、高品質の綿やウールの取引価格は高止まりしているという。今後もこうした傾向が続けば、採算性を保てないと判断した。

パート・アルバイトから地域正社員に転換もコスト増

「値上げ」でも客足離れず(画像はユニクロのホームページ)
「値上げ」でも客足離れず(画像はユニクロのホームページ)

   コスト増は原材料だけではない。円高局面では輸入は有利に働くが、2012年末のアベノミクス以降、為替相場は円安基調。商品の大半を海外で生産し、輸入しているユニクロの採算は悪化する。委託工場が集積する中国で、このところ人件費も上昇。ベトナム、バングラデシュ、インドネシアなどにも委託先を拡大しているが、それでも追いつかないという事情もあるようだ。

   国内では新規採用も含め、約1万6000人をパート・アルバイトから地域正社員に転換する計画だ。人件費というコストが上昇することはあっても、下がることはない。国内店舗数は840店舗で、もはや飽和状態。店舗数を拡大して量を追わない以上、1店舗ごとの売り上げを最大化させるしかない。そのために値上げは必須というわけだ。

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