安倍晋三首相は2014年6月24日夕方、通常国会の閉会を受けて記者会見し、会期中に与党協議がまとまらなかった集団的自衛権の行使容認について、「責任与党として国民の命と暮らしを守るため、決める時にはしっかり決めていく」などと改めて意欲を示した。
いわゆる「他国の戦争に巻き込まれる」論については、「隙間のない、国民を守るための法整備を行っていかなければならない」として、「抑止力は高まり、戦争に巻き込まれる可能性はより低くなっていく」と主張。
祖父の岸信介元首相が担った日米安保改定を例に引きながら、
「同じような論争はかつて60年安保の際も盛んに叫ばれた。『安保条約を改定すると、日本は戦争に巻き込まれる』。果たしてどうなったのか」
と持論を展開した。
制裁解除を拉致被害者調査の外交カードに活用
北朝鮮が拉致被害者の所在について全面的な再調査を約束したことについては、
「北朝鮮に対する制裁については、北朝鮮側から拉致問題解決に向けた具体的な行動を引き出す上で、何が最も効果的かという観点から対応を検討していく」
と述べ、制裁解除を調査の実効性を担保するための外交カードとして有効活用したい考えだ。自身の訪朝については
「現時点で検討しているということは全くない」
と完全否定した。