企業も管理職に適した人材が不足ぎみ
ミドル層、とくに組織のリーダークラスとなる人材の転職市場が活性化しているのは、「35~44歳」の転職希望者の増加に加えて、求人環境が好転していることがある。企業はいま、景気の回復基調が強まるなかで、管理職に適任な人材が不足ぎみで、社内育成には限界がある。
たしかに、最近は経営トップを社外から招へいすることもめずらしくなくなった。その一方で、2012年ごろからは団塊世代の退職がはじまっている。さらに、ここ数年の不景気による業績悪化やリストラで優秀な人材が流出。これまで会社の屋台骨を支えてきた人材が続々と去っていった。
管理職にあたる人材、つまりハイキャリア層が手薄になっていると感じている企業は少なくなく、組織や事業をけん引する強いリーダーとなれる優秀な人材へのニーズは高まっている。
企業がキャリアや経験を買って即戦力として社外に人材を求めるケースは急速に広がっていて、これは転職を希望するハイキャリア層にはチャンスだ。
たとえば、エン・ジャパンが運営する「エン転職コンサルタント」のホームページには、年収800万円以上の「ハイクラス求人情報」を多数用意している。
無料登録すれば、職務経歴書を匿名公開するだけで、人材紹介コンサルタントから希望にあう求人を紹介してもらえる。年収600万円以上、年収1000万円クラス の求人特集もあって、充実している。
他にも、ビズリーチやマイナビ転職エージェントリサーチなどがあり、ハイキャリア向けの求人サービスが活況だ。