働き盛りのハイキャリア層(35~44歳)の求人情報が、熱を帯びている。
「35~44歳」といえば、仕事に「脂が乗っている」働き盛りの半面、転職したくても転職先の選択肢がガクッと減ってくる年齢層だ。転職市場ではこれまで「厳しい」とされていたが、そんな「35歳の壁」が崩れて、最近は活況を呈しているようだ。
ヘッドハンターと連携、キャリアの積み方などを相談できる
リクルートキャリアは新たなサイトとして、次世代のリーダーとなるビジネスパーソン向けの「キャリアカーバー」を、2014年6月24日に発表した。国内トップクラスのヘッドハンター・コンサルタントと連携し、利用者の単なる「転職支援」ではなく、生涯にわたる「キャリア形成の支援」を目指す。
具体的には、サイトからレジュメ(職務経歴書)を登録するだけで、自分にあう「かかりつけヘッドハンター」をキャリア形成のパートナーに指名でき、ヘッドハンター・コンサルタントから求人情報を紹介してもらう仕組み。
指名したヘッドハンター・コンサルタントは、経営幹部や経営幹部候補の転職支援の実績をたくさん持つヘッドハンターで、転職先を紹介するだけでなく、現在の会社でのキャリアの積み方や、その後の転職も視野に入れたキャリアアップの方法などの相談に乗っていき、その人にマッチしたキャリアプランを、将来を見据えながら練っていく。
いまの35~44歳のミドル層は、職場や仕事に大きな不満を抱え、仕事に対して高いモチベーションを保てない人が少なくない。リクルートワークス研究所の調べによると、ミドル層はほかの年代層に比べてモチベーションが低く、高い役職についている人のみがモチベーションを維持できる、という研究結果があるという。
労働力人口が1998年の6893万人をピークにじわじわ減少していくなか、年齢別では「35~44歳」は2015年まで高い水準で維持される。「45~54歳」は2010年から15年まで増加、その後も増加が続くと予測されている。人口構造上、ミドル層がボリュームゾーンにあたることもあって、優秀な人材であっても高いモチベーションが保てず、能力を目いっぱい発揮できていない可能性があると指摘している。
また、たとえ年収1000万円でも、労働環境の悪化や待遇が十分ではないなど、ミドル層が必ずしも満足のいく環境で働いていないこともある。
リクルートキャリアでは、「次世代リーダーとなり得る優秀な人材に、社内外問わず今後のキャリア形成を積極的に検討するきっかけを提供することで、昇進昇格だけにこだわらず、モチベーションを高く保ち、仕事のやりがいや成長実感が得られる分野で活躍してもらいたい。それが経済にプラスに働くと信じている」という。