サッカー日本代表選手の「啓発本」多すぎる ネットで「サッカーより作家じゃないか」と皮肉が

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   サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の日本対コロンビア戦が迫る。日本代表は初戦のコートジボワールに負け、続くギリシャに引き分けるなど結果を出せないなか、選手が「出しすぎ」だというあるものが注目されている。

   それは「本」だ。代表メンバーの約半数が出し、2014年に入ってからも続々と刊行されていることから、ネット上では「本書く前に練習しなさい」などといった皮肉まじりの発言も出ている。

長谷部「心を整える。」はベストセラーに

原稿かくより、汗をかけ
原稿かくより、汗をかけ

   代表メンバー23人のうち、「著者」として本を出しているのは11人。もっとも著書が多いのは遠藤保仁選手だ。前大会直前(09年2月)の『自然体~自分のサッカーを貫けば、道は開ける』をはじめ、『明日やろうはバカヤロー』、『信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題』、『眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意』(西部謙司氏との共著)、『サッカーってやつは…。』の5冊を出している。また今野泰幸選手との共著『観察眼』もある。

   反対に寡作ながら、ベストセラー経験があるのが長谷部誠選手だ。11年の『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』しか出していないが、その年のベストセラー3位になるほど大ヒットした。『心を整える。』の成功もあって、川島永嗣選手の『準備する力 夢を実現する逆算のマネジメント』、今野選手の『道を拓く力―自分をマネジメントするイメージとは』、長友佑都選手の『上昇思考 幸せを感じるために大切なこと』と自己啓発本は多い。

   長友選手の『日本男児』、内田篤人選手の『僕は自分が見たことしか信じない』、吉田麻也選手の『増刊!マヤニスタ』、『旅するサッカー』、『サムライDays、欧州Days』のようなエッセイもあれば、川島選手の『本当に「英語を話したい」キミへ』や、長友選手の『長友佑都体幹トレーニング20』というハウツー本もある。

   なお『体幹トレーニング』はW杯特需もあって、紀伊國屋書店の月間ランキングで6位、Amazon.co.jpの「本」ランキングでも24位(24日13時現在)と売れている。

W杯直前、続々と新刊

   W杯本番を見込んでか、14年に入って出された本は多い。『旅するサッカー』、『体幹トレーニング』、『サッカーってやつは』が新たに出版されたほか、『心を整える』や『準備する力』の文庫版も出た。内田選手の写真集も6月に出ている。代表から漏れた中村憲剛選手の『考える習慣』や、槙野智章選手の『守りたいから前へ、前へ』なども、この半年に発売された。

   注目すべきはフォワード(FW)の選手8人だ。本田圭佑選手、香川真司選手、柿谷曜一朗選手、斎藤学選手、大迫勇也選手は本を出していない。一方で大久保嘉人選手、岡崎慎司選手、清武弘嗣選手の著書は、いずれも14年に出たものだ。

   大久保選手は3月に『情熱を貫く 亡き父との、不屈のサッカー人生』を出版。岡崎選手は4月に『鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。』を出した。清武選手に至っては、5月に『明日への足音』と『だから僕は、前に進める。』を立て続けに出している。

   W杯ブラジル大会で日本代表は、コートジボワールに黒星、ギリシャに引き分けだった。コロンビア戦を前にツイッターでは、本を出すよりも大事なことがあるのではとの指摘が多い。

「本書く前に練習しなさい」
「自己啓発系が多くて笑えない」
「やっぱりサッカーより作家じゃないか」

   なおアルベルト・ザッケローニ監督も『ザッケローニの哲学』を出している。1998年にイタリア語で出され、2010年には日本語版が発刊されたが、出版元のPHP研究所のサイトによると、現在は品切れ中で重版未定だという。

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