東京都議会の本会議で塩村文夏(あやか)都議(35)が「早く結婚した方がいいんじゃないか」などとヤジを受けた問題で、都議が2014年6月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。
現時点では鈴木章浩都議(51)のみがヤジを飛ばしたことを認めて陳謝しているが、塩村都議は、ヤジを呼ばした議員は「決して一人ではなかったと思う」として、引き続き名乗り出るように求めた。都議会への処分要求が受理されなかったこともあって、名誉棄損罪や侮辱罪での刑事告訴についても「本当の最終手段」だと断った上で「排除はしない」とした。
侮蔑的ヤジを「面白がるようなことが続いたことが一番ショック」
今回のヤジ問題をめぐっては、海外メディアでもヤジの内容が性差別的だとして批判が広がったこともあり、特派員協会で会見が開かれることになった。塩村議員は冒頭発言の中で、侮蔑的なヤジそのものよりも、それを容認する都議会の雰囲気を繰り返し批判した。
「不規則発言があった時に(発言が)余りにも大きな声だったので、周りで『これはおかしいのではないか』と思った人も沢山いると思うが、雰囲気として逆に笑いが起こって、そのような発言で皆さんが楽しんでいるような状況になってしまった」
「都議であるならば、『おかしいんじゃないか』といさめるようなことがあっていいと思った。そのようなことはなく、面白がるようなことが続いたことが一番ショック」
鈴木都議は「早く結婚した方がいいんじゃないか」などとヤジを飛ばしたことは認めているが、「子どもを産めないのか」といった発言は否定。発言の主は特定されないままだ。塩村都議は、ヤジを飛ばした議員は複数いるとして、引き続き名乗り出るように求めた。
「名乗り出ていただいた方は一人だが、あの場で色々な不規則発言をした方は、決して一人ではなかったと思う。一人が名乗り出て終わってはいけないと思うし、再発防止という点でも、今後も名乗り出てほしい」
議長は「議員が特定できない」と処分要求を受理せず
地方自治法の133条には、
「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる」
という規定があり、議場での侮辱的発言については、まずは議会が処分することになっている。実際、塩村都議も処分を求める要求書を6月20日に議長に提出したが、「議員の名前が特定されておらず、要件を満たしていない」などとして受理されなかった。このことを念頭に、名乗り出ない都議を名誉棄損罪や侮辱罪で告訴する可能性について問われると、
「再発防止のために取れる手段は、一つずつとっていきたいと思う。まずは名乗り出ていただくことが一番だと思っている。1名の方が勇気を持って名乗り出てくださった。1人だけではなかったという部分で、これからまだ詰めないといけない部分があると思っている。例えば名誉棄損、侮辱罪というような形での法的手段は、排除はしないが、本当の最終手段と思っている」
と話した。