サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会・決勝トーナメント進出へ向けて、わずかな可能性を残している「ザック・ジャパン」。注目のコロンビア戦を2日後に控えるなか、スポーツ紙などには早くもアルベルト・ザッケローニ監督(61)の「後任」が取り沙汰されている。
日本代表は、2014年6月15日のコートジボワール戦を1‐2の敗戦、20日のギリシャ戦をスコアレスドローで終え、勝ち点1のCグループ3位。予選リーグを突破するには、コロンビアに勝つしかない。
采配ミス? 「最低目標」突破できず、解任は必至
W杯開幕前の2014年5月13日、日本サッカー協会の大仁邦弥会長はブラジル大会の目標を、「まずは1次リーグ突破。それくらいは最低でもやってもらいたい」と、日本代表への期待を語った。
ザッケローニ監督の手腕についても、「日本のよさを出しながら世界で戦えるチームになってきた」と高く評価したが、大会後の代表監督の人事には「大会が終わって分析してから考える」と述べるにとどめていた。
日本代表監督はこれまでも、W杯をフシ目に交代してきた。とはいえ、大仁会長からは「いい監督であることが最優先。(9月5、9日に国際親善、相手は未定)試合があるから決めるというわけにはいかない」と、すでに意中の人がいるかのような発言もあった。
さらには、ブラジルから伝わってくる情報も「内紛」を思わせる。6月23日付のサンケイスポーツは「口出し無用」の見出しで、日本サッカー協会の原博実専務理事がザッケローニ監督を事情聴取した際に、監督が「私は監督だ」と自らが全権をもつことを強調し、「攻撃サッカー」をチームに取り戻す決意を示した、と報じた。
また、日刊スポーツ(6月22日付)は、原専務理事がザッケローニ監督の采配ミスを認めた、としている。コートジボワール戦とギリシャ戦の終盤に行ったロングボールを放り込む策に、「練習はしていない。試合展開はあるけど、それをやって勝てるメンバーも選んでいない。このチームにはあっていないと思う」と断言。さらには、W杯の采配に迷いがみられるザッケローニ監督について、「(W杯のような)大きな大会は初めてなので、予想どおりにいってないと感じているとは思う」と語ったという。
そもそも、原専務理事はザッケローニ監督を選任した一人。W杯での采配が未経験であることはわかっていたはずで、この発言じたいが協会の責任問題にも発展しかねない。
アギレ氏有力? ブッフバルト氏やストイコビッチ氏、Jリーグでおなじみの名前も…
おそらく、W杯で決勝トーナメントの進出を逃せば、ザッケローニ監督の解任は免れまい。スポーツ紙や週刊誌などのメディアの一部では、2018年のW杯ロシア大会に向けて、「次期監督」のサヤ当てがはじまっている。
候補として浮上しているのは、2002年と10年のW杯でメキシコ代表監督として、いずれもベスト16入りを果たしたハビエル・アギレ氏(55)。「週刊新潮」(2014年6月26日号)によれば、日本サッカー協会の原専務理事がスペイン贔屓で、この5月までスペインリーグ・エスパニョールの監督を務めていたアレギ氏に白羽の矢を立てたという。3月にはスペインの地元紙が、日本代表の次期監督の有力候補と報じていた。
他には、Jリーグの浦和レッズを率いたギド・ブッフバルト氏やセレッソ大阪のレヴィー・クルピ元監督や、かつて日本代表をベスト16に導いた岡田武史監督(57)の名前もあがっている。
ブラジル代表監督の候補にもなった、元コリンチャンス監督のアデノール・レオナルド・バッチ氏(53)や、Jリーグのジュビロ磐田でプレーした元ブラジル代表MFで元ブラジル代表監督のドゥンガ氏。日刊ゲンダイ(6月20日付)には、2004年にトヨタカップを制し、世界クラブ王者に輝いたスペイン人指導者のビクトル・フェルナンデス氏(53)や、セビリアで指揮を執っているスペイン人のウナイ・エメリ監督(42)の名が取り沙汰されている。
さらにスポニチアネックス(6月23日付)は、22日付のセルビア紙「SPORT」が元ユーゴスラビア代表MFで、Jリーグの名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ前監督(49)が、日本代表の次期監督としてオファーを受けていると報じた、と伝えている。