東京の「故宮展」ポスターに台湾反発 直前の大トラブル、世紀の展覧会どうなる?

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2年前には「北京・故宮展」

   東博ではすでに2012年1月から2月にかけ、「北京・故宮展」を開催している。東博の140周年ならびに日中国交正常化40周年を記念して、北京・故宮の名品を集めた「北京故宮博物院200選」展だ。約25万人が訪れている。このときは同館、北京・故宮博物院、朝日新聞、NHK、NHKプロモーションが主催で、特別協力に毎日新聞社が入っていた。また、後援で外務省、中国大使館、さらに協賛社として三井物産などが参加していた。

   関係者によると、二つの故宮展が時期をずらし、別々に開催されるようになったのには長く複雑な経緯があるという。

   日本での故宮展は10年ほど前から、北京と台北の二つを合わせて初めて本来の故宮展になる、対立する東アジアの平和と文化交流のために東京国立博物館で合同展を目指そうということで、故・平山郁夫氏らが実現に向けて動いていた。しかし、話がまとまらず、結果的にはまず先に「北京」が開催され、遅れて「台北」となった。

   「北京」に参加できなった大手マスコミの中には、首脳が訪台して馬総統と会談、「日本での台北・故宮展」の言質を取り、大きく報道、「台北展」に仲間入りしたところもあった。

   しかし、日本と台湾は、外務省のHPによると、「非政府間の実務関係」にとどまる。「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部」とする「中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重」するというのが日本政府のスタンスだ。そのせいか、「北京展」では後援に入っていた日本外務省の名が今回は見当たらない。協賛社もゼロ。その一方で「北京」のときはなかった「議員団体」が特別後援に名を連ねるなど、近年の日本、中国、台湾の政治・経済的な関係などから、両展の枠組みには微妙な違いがある。

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