武田薬品工業は2014年6月20日、京都大学などによる降圧剤「ブロプレス」の臨床研究について、同社が「公正性に疑念を生じさせかねない関与や働きかけを行った」とする第三者機関の調査報告書を公表した。3月に行った記者会見では社員の関与を認めていなかった。
今回調査を行った「ジョーンズ・デイ法律事務所」の報告書によると、企画段階から学会発表まで一貫して社員の関与があったという。ブロプレスに有利な結果を導くため、追加のデータや解析を京大側に度々要求したり、学会発表でのスライドに有利に見えるようなグラフを追加、宣伝にも利用するなどした。
長谷川閑史社長は会見で「製薬企業全体の信頼を揺るがしかねない行為だったことを真摯に反省いたしております」と謝罪した。