潜在能力はどれほどあるのか。2014年6月18日の阪神戦で見せた日本ハム・大谷翔平のピッチング。大リーグに行くのは間違いないだろう。
たまたまバットを振ったら当たった
「すごいピッチングだね。完敗だ」
大谷をこう評したのは阪神の和田監督。8回まで打者24人と対し、出した走者は安打1のみ。三振11。これが大谷の内容である。
その安打を放った大和のコメントがこれ。
「ストレートがめちゃくちゃ速かった。たまたまバットを振ったら当たった、という感じ」
公式戦で甲子園のマウンドに立つのはプロ入り初めてのことだった。高校(岩手・花巻東)時代、甲子園に出場したものの勝てず、悔しい思いしか残っていない、という。まるでリベンジするように、160キロの速球を投げ込んだ。
「スピードが出ると、気持ちがいいし、乗っていける感じです」
19歳という若さと力強さをむき出しにしたピッチングを示す大谷のはつらつとした感想である。満足した理由のひとつに無四球がある。自在にコントロールできたということで、投手にとって納得できる材料だ。