渋谷駅(東京・渋谷区)で2014年3月に撮影された「児童虐待」とも受け取れる動画が、いまインターネット上で話題になっている。
撮影した男性は目撃直後、フェイスブックに動画を投稿。6月中旬ごろから話題になり、6月16日には渋谷警察署へ相談に行ったという。
泣く幼児を「ふざけんなよ」と蹴る?
動画は2014年3月1日、フェイスブックに「【世の中変えたい】【拡散は各自判断で】」と題されて投稿された。携帯電話で撮られたと思われ、画質はよくない。床に座って泣く幼児に、母親とも見える女性が「おうちにスッと帰るの!」「行くの、帰るの、どっち」などと怒る。「帰る!」と叫んだ幼児を「早くしろよ」とせかしながら、2人は歩き出す。
数歩進んだところで、女性は突然「ふざけんなよ」と左足をあげた。ガタンという音とともに、幼児が倒れこむ。投稿者と思われる男性が「おい、警察呼ぶぞ」と声をかけると、女性は一瞬カメラを見るが、すぐに幼児の手を引いて歩き出した。「ビデオに撮ったぞ、おい」と怒る男性を尻目に、2人は雑踏に消えてしまった。
目撃男性が「何発か蹴ってた」と書き込んでいることもあり、この映像を見て「虐待だ」と感じる人は多い。6月18日11時現在、2万8500以上シェアされている。6月中旬になって急激に拡散し、15日に投稿者は「この2~3日で爆発的にシェア」されたと報告。映像だけでも警察に届けられるとコメントで知り、16日にも所轄警察署へ相談に行くと明かした。
事件化するのは難しい?
警察への届け出を終えた17日、投稿者は事件の詳細をフェイスブックで伝えた。起きたのは3月1日の11時ごろ、場所は渋谷駅の宮益坂中央改札付近だった。届け出にあたり、まず渋谷駅を訪れたが、新宿の鉄道警察へ回された。鉄道警察では「特定できないしどうにもならない」と言われ、「事件性があるなら渋谷署に行ってくれ」と紹介された。渋谷署で「児童虐待の目撃」と言うと、生活安全課に通されたという。
ただ、事件化するのは難しい、という感じだったらしい。結局、投稿者は署の担当員と現場へ行き、JR側にも情報提供して終わったという。その後、フェイスブックの更新はない。なお渋谷署生活安全課は届け出があったことは認めている。