「極ZERO」なぜ再発売? サッポロ 「世界初の製法」裏目か

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小売価格は20~30円上がる見込み

   税金の扱いは最終的には決着していないが、もし第3のビールに該当しないとなった場合はビールと同等として税金を計算し直す必要がある。極ZEROは昨年6月の発売から12月末までに当初目標を6割上回る358万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を販売しており、1缶(350ミリリットル)につきビールの77円と第3のビールの28円の差額49円を追加納税するとなると、その総額は116億円にもなる。116億円といえば、持ち株会社サッポロホールディングス(HD)の最終利益(2013年12月期94億円)が一気に吹き飛ぶ規模で、経営への影響は重大だ。極ZEROの販売終了を発表した翌日の6月5日、東京株式市場ではこれを懸念した投資家の売りが膨らみ、サッポロHD株は前日比6.5%安で取引を終えたのも当然だろう。

   懸念は追加納付だけではない。値上げによる販売数量の減少だ。発泡酒への変更によって、現在140円前後の小売価格は20~30円上がる見込み。サッポロは今年の極ZEROの販売目標を550万ケースとし、5月までは想定を上回るペースで推移していたが、値上げにより、当初想定より2割減少すると修正した。ただ、発泡酒市場は第3のビールに押され、最近は右肩下がり。果たして想定の範囲の落ち込みで食い止められるか。懸念は尽きない。

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