サッカーワールドカップ(W杯)で日本がコートジボワールに逆転負けした2014年6月15日、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点で「お祭り騒ぎ」をした「サッカーファン」たちがネット上でブーイングを受けている。
タレントの伊集院光さん(46)も6月16日放送のラジオ番組「JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ系)の中で不快感を示し、同時に、騒動の背景にはテレビの「弱腰」な姿勢も影響しているとの見方を示した。
「交差点の連中をサッカー好きな人はどう思ってんの?」
コートジボワール戦が終わった15日正午ごろから、スクランブル交差点には周辺店舗でパブリックビューイングを楽しんでいたと思われるユニフォーム姿の人々が大勢流れ込んだ。横断歩道を渡りながらすれ違う人々とハイタッチをしたり、「ウェーイ」「ヒュー」と歓声をあげたりと、その盛り上がりぶりは敗戦試合の後とは思えないものだった。混乱状態に乗じた痴漢も出没したという。
これに対しインターネット上では「情けなくなる」「日本の恥」と冷めた意見が少なくない。「サッカー批評」「フットボールサミット」によるウェブサイト「フットボールチャンネル」は15日、「渋谷スクランブル交差点、敗戦にもなぜかハイタッチ。"バカ騒ぎ"の理由にW杯を利用」という見出しの記事を掲載。「敗れたとは言え、全力で戦っている選手やスタッフ、本当に心から声援を送っているファンを愚弄する行為は絶対に止めなければいけない」と問題視した。
16日には伊集院さんも自身のラジオ番組の中で騒動に言及した。彼も快く思わなかったようで、「あのスクランブル交差点の連中のことを、サッカー好きな人はどう思ってんの?」「正直日本代表のサッカー応援している人もあいつらのこと嫌いであってくれと思うよ、おれは」などと語った。
その上で伊集院さんは、テレビがスクランブル交差点の騒動を正面から否定しないと指摘した。
「交差点の騒動については悪く言えない」
今やスクランブル交差点は「サポーターの聖地」のような扱いを受けていて、多くのメディアが試合後に交差点の様子を伝えている。今回もその盛り上がりが伝えられたが、伊集院さん曰く、テレビのニュースからは「日本代表を応援する人たちを叩くと嫌われてしまうから、交差点の騒動については悪く言えない」という「弱腰」な姿勢が感じられるという。
そして「そもそも、あのテレビの中途半端な報道姿勢みたいなヤツが、スクランブル交差点を騒ぐ場として認知させた感じがあると思うんだよね」と語り、
「『あそこ(交差点)は日本代表のサッカーの試合のあとは、ああなるもんなんです、あそこにみんな集まりましょう。警察もカメラも、万全で待ってます』ぐらいの空気になってると思うんだよね。だけど『DJポリスも見にいきましょう』みたいな。そんな感じが出てるんじゃないですか」
とも分析した。