飛行機で酔った客が暴れることはしばしば起こるが、このほど明らかになったケースでは、乗客は高い代償を払わされることになりそうだ。
新婚旅行でハワイに向かう飛行機の中で、京都府在住の日本人の建設業の男(30)が酔った勢いで男性客室乗務員(CA)に殴りかかり、現地の警察に逮捕されたというのだ。裁判では起訴事実を認めたが、最悪で20年の懲役刑を受ける可能性もある。
搭乗前にビール4杯とワイン1杯、搭乗後もシャンパンとワイン飲む
AP通信や現地紙「スター・アドバタイザー」が2014年6月14日に報じたところによると、男に対する罪状認否手続きが6月13日にホノルル地裁で行われ、男は起訴事実を認めた。
正確な日付は明らかではないものの、男は2014年5月、デルタ航空の関西空港発ホノルル行きの便に乗っていた。男が現地当局の調べに対して明らかにしたところによると、搭乗前にビールを4杯、ワインを1杯飲み、搭乗後もシャンパンとワインを飲み続けた。検察側の主張では、男はCAが機内食のトレイを下げなかったことに激高。このCAは両手がふさがっていたためにすぐに対応できなかったようだ。男は仲裁に入ろうとした別の男性CAに対して「大振りのフック」を打とうとしたが、CAはとっさに腕を頭の前に出して身を守ったため、直撃は免れた。
泣きながら土下座して謝罪
男はCAらに拘束され、繰り返し「ごめんなさい」などと言いながら土下座して謝罪した。その後は静かになって眠ってしまったという。
男は現地当局の調べに対して、一連の出来事を「一瞬のことだった」「何が起こったのか正確には覚えていないが、CAがトレイを持っていかなかったことで、自分が見下されているように感じた」などと説明しているという。
裁判所側は5万ドル(約510万円)の保証金で保釈を認める方針だったが、検察側は、男が過去に日本で警察官に暴行して有罪判決を受けたことを申告しなかったと指摘。さらに、写真を示しながら「逃亡リスクがある危険人物」などと主張した。その結果、裁判所は検察側の主張を受け入れ、男は引き続き勾留されることになった。
判決は9月22日に言い渡される予定で、最高で20年の懲役刑を受ける可能性がある。