「ゴツい」イメージが強かったヘッドホンが、今女性の間で流行しているらしい。ヘッドホンを愛用している女性に対し、「ヘッドホン女子」という呼称まで生まれている。
そんなヘッドホン女子がテレビ番組で特集されたのだが、「個性をアピールしている」「音楽通なフリをしている」などと言われ、ネット上では世のヘッドホン女子が「バカにしないで!」と怒りの声を上げている。
「個性アピール」「一人でも楽しんでるアピール」ができる!?
「ヘッドホン女子」を取り上げたのは、日本テレビ系の情報番組「ZIP!」内のコーナー「アレナニ?」2014年6月13日放送回でのことだ。
博報堂ブランドデザイン 若者研究所リーダーの原田曜平さんの解説によると、家電量販店でのヘッドホンの販売状況は、09年度から13年度にかけて数量はさほど変わっていないが、販売額は2割ほど増えている。消費者の「高級ヘッドホン」志向が高まっているそうだ。
人気の火付け役は「Beats by Dr. Dre」というメーカーで、レディー・ガガさんやジャスティン・ビーバーさん、サッカーのネイマール選手など、海外の有名人が愛用していることで、日本女性の間でもブームになったという。
ZIP!出演陣の女性にもヘッドホン愛好者は多く、金曜日レギュラーの鈴木杏樹さんは「耳に入れる(イヤホン)よりヘッドホンの方がかわいいなっていうのはあります。あと、楽だし。首にかけたり頭に着けたり」。Beatsのヘッドホンを使っているというZIP!ファミリーの堀田茜さんは「Beatsは他のヘッドホンと比べてデザインがスマートでシンプル。ファッションにこなれ感が出る」と、各々良さを語っていた。
原田さんは「ヘッドホン女子」について、「私オシャレです」という「個性をアピール」、今時の若者は同調志向が強いが「私一人でも楽しめる強い女の子です」という「一人でも楽しんでるアピール」、また「音楽通なフリができる」という理由でヘッドホンを愛用している、とまとめた。スタジオでは爆笑が起こり、女性陣からは「わかる!わかる!」と賛同されていた。
「カナル型イヤホンが苦手」「音漏れが気にならない」との理由も
番組では大いに盛り上がっていたが、女性視聴者からは反感を買ったようだ。
放送中、ネット上では、
「ヘッドホン女子って何だよ。これからヘッドホン使いにくいわ!」
「普通に音漏れが嫌で使ってる私が付けづらいじゃないか!」
「別に自分の家で個性をアピールしてないし1人でも楽しんでるアピールしてないし音楽通なフリもしてないわ」
「ファッション感覚だの音楽通のフリするとかだの偏見もたせるような言い方やめてほしいなぁ…真面目に聴いてる人もいるわけだし」
など、放送内容への疑問や怒りの声が相次いで書き込まれた。
外出時もヘッドホンで音楽を聞くことがあるという20代女性は、「カナル型イヤホン(編注:耳栓型で、耳の穴の中にねじこむようにして装着するイヤホン)はすぐ外れてしまって苦手だし、ヘッドホンならあまり音量を上げなくてもよく聞こえて音漏れも気にならない」と、ヘッドホンを愛用する理由を話していた。特にファッション感覚で使っているということはないそうだ。