世界で最もクリエイティブな国はJAPAN! 日本人の「自己評価」とズレ

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   世界で最もクリエイティブな国は日本――。外国人に日本製品や日本文化について尋ねたところ、自動車や電気製品だけでなく、日本のアニメやファッション、日本食などクリエイティブ産業の人気が高く、いずれの評価も上位にランクされることが、電通がまとめた「ジャパンブランド調査2014」でわかった。

   音楽やファッション、映画など時代の先端を切る文化的な産業で、「最もクリエイティブな国はどこか」を尋ねた米国系企業の調査でも、日本が米国、英国、ドイツ、フランスを抑えて1位になったという、日本人ならちょっと驚きそうなデータもあり、この分野で外国人の日本への関心が高まっているのは間違いない。

日本の庭園にも関心が高い

日本人は世界一クリエイティブ!(写真はイメージ)
日本人は世界一クリエイティブ!(写真はイメージ)

   電通は2014年4月、米英独仏伊露や中国、韓国、インド、タイ、インドネシア、フィリピンなど米欧アジアを中心とする18か国・地域で、日本への関心度、好意度などの調査(20~59歳の男女、中間所得層以上)を行った。「日本が優れている」と思うもののランキングは、1位AV家電、2位アニメ・漫画、3位ロボット工学、4位自動車・バイク、5位精密技術で、ハイテク製品に混ざり、アニメ・漫画が上位に入った。アニメ・漫画をトップに挙げたのは、中国、韓国、シンガポール、米国、フランス、ドイツ、イタリアの7か国で、アジアだけでなく、欧米でも人気ぶりを示した。

   「日本への興味・関心」では、1位が日本食、2位が日本への旅行、3位が日本のファッション、4位が日本庭園、5位が温泉だった。電通は「日本へ好意をもつ外国人は、現代のサブカルチャーやコンテンツへの関心が高いことがわかった」という。禅文化に通じる日本庭園は、欧米諸国で関心が高く、日本人には意外感が強いかもしれない。

最もクリエイティブな都市は東京

   最近の外国人が日本のアニメや音楽だけでなく、ファッションや化粧など日本の文化全般に関心を示し、クリエイティブだと評価する傾向は、米国系のIT関連企業「アドビシステムズ」が2012年4月に米英独仏日の5か国で行った調査からも伺える。同社が5か国の18歳以上の成人各1000(合計5000)人に調査したところ、クリエイティブな国との質問に日本を36%が挙げて1位、以下、米国の26%、ドイツの12%、フランスの11%と続いた。最もクリエイティブな都市でも、東京がニューヨークやパリ、ロンドンを抑えて1位だった。

   国別の回答では、英独仏の3か国が日本を1位に挙げた。米国は米国が1位、日本が2位だった。日本は1位が米国の39%で、2位が日本の26%、3位がフランスの16%と続いた。日本は世界で最もクリエイティブな国にランクされたが、大半の日本人は必ずしも自らをクリエイティブとは考えていないという皮肉な結果だ。

   経済産業省によると、メディア・コンテンツ、飲食・飲料、ファッションなどを合わせたクリエイティブ産業の世界の市場規模は、2009年の463兆円から2020年には932兆円に倍増するという。現在、この分野で日本企業の海外売上高は約2.3兆円で、世界シェアは約0.5%に過ぎない。クリエイティブ産業の輸出入では、ゲームが唯一、輸出が輸入を大幅に上回る貿易黒字となっているが、化粧品、ファッション、映画、音楽、書籍、雑誌、著作権は、いずれも輸入が輸出を上回る輸入超過となっている。

   安倍政権は日本の自動車や電気製品だけでなく、アニメや音楽などクリエイティブ産業を海外に売り込む「クールジャパン」(かっこいい日本)政策をアベノミクスの第3の矢(成長戦略)のひとつに掲げている。政府は「日本の魅力を発信することで、海外で日本ブームを創出したい」としており、6月末に策定する新しい成長戦略に具体策を盛り込み、官民で日本を売り込む方針だ。

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