トヨタ燃料電池車発売、年内に前倒し検討 価格は800~900万円か

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水素ステーションの拡大も

   経済産業省が普及に向けて動き出していることも、トヨタの背中を押している。例えば経産省が5月30日に発表したのは規制緩和。高圧ガス保安法の省令を改正し、燃料タンクの容量を現状より拡大できることにした。これによって1回の燃料充填による走行距離は2割程度延長できる。今まで500キロと言っていたタイプなら600キロになる。ある程度の余裕を持って東京~大阪間を途中の水素充填なしで行けるわけだ。この省令改正は燃料電池車の国際的な基準に合わせるものでもあり、経産省は国産車の輸出にも寄与すると見ている。

   このほか、経産省は今春、水素ステーションの設置基準も緩和し、2015年に国内100か所に拡大する目標に向けて動いている。

   ただ、普及に向けた課題はたくさんある。電気自動車が今一つ伸び悩んでいるのも、充電スタンドなどのインフラ整備が進まず価格が手ごろにならないからだが、燃料電池車も同じ問題に突き当たる可能性がある。政府は成長戦略の一角に燃料電池車の普及を置く方針だが、補助金込みとしても消費者が買ってみたいと思う価格に下がるか、またインフラが整備できるかどうか。これらの問題を突破できるかが普及のカギになる。

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