手打つほど、潜在需要喚起され、希望者が増える待機児童 「ゼロ」達成へのイタチゴッコ

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親の通勤経路や交通手段をパソコンに入力

   これらに共通するのは、「横浜方式」と同様、施設整備ときめ細かい対応の組み合わせだ。名古屋市は民間保育所への補助を手厚くするなどで3歳児未満の入所枠を2013年度までに4000人分以上増やし、また、市内全区に「保育案内人」を配置して希望先に入所できない人の居住地や通勤先を考慮して代わりの保育所を紹介。千葉市は、入所選考に漏れた568人について、親の通勤経路や交通手段をパソコンに入力し、自宅から遠くても通勤途上にある施設を探し、キャンセル情報を照合、認可外施設や幼稚園を紹介するなど、60人の職員が3月まであっせんを続けた――といった具合だ。

   ただ、定員確保が優先されるのは仕方ないにしても、保育の質低下を懸念する声は根強い。15年春、市区町村の認可事業になる「小規模保育事業」(0~2歳児)では、保育士の比率が、認可保育園の半分でもいいなど、保護者の心配は尽きない。また、保育所が増えるのに人材が追い付かず、自治体間の保育士の争奪戦も伝えられる。

   国の制度整備はもちろん重要だが、主体になる自治体の努力が待機児童対策のカギを握ることは、横浜をはじめ各自治体の取り組みが証明している。ただし、解決への道のりは、なお険しいということだ。

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