新たに待機児童「ゼロ」を宣言した自治体も続々
横浜市や世田谷区の例は、懸命に手を打つほど、潜在需要を喚起して対策が追い付かなくなるという、待機児童問題の難しさを教える。
一方で、新たに待機児童「ゼロ」を宣言した自治体も続々と現れている。昨年4月1日時点の待機児童数が695人で、全国ワースト2位だった福岡市は、認可保育所の定員を1820人分増やしたほか、幼稚園で長時間預かる事業や、19人以下の小規模保育事業の整備など、受け入れ枠を計2354人増やしたのが奏功した。2011年1275人、12年1032人と待機児童数が全国最多だった名古屋市は、2013年に280人へと一気に減らし、今年は解消に漕ぎ着けた。千葉市も2011年に350人と最悪を記録して、本格的な対策に取り組み、2012年123人、2013年32人、そして今年はついに「ゼロ」。このほか、京都市(前年94人)、松山市(同40人)なども「ゼロ」を達成、昨年は神奈川県内最多の438人だった川崎市も、62人と376人減らした。