女性付きまとい逮捕男は85歳 「高齢ストーカー」、なぜ急増?

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   奈良県内で一人暮らしをする80歳女性にストーカー行為をしたとして、和歌山県橋本市に住む無職の85歳の男が2014年6月10日、奈良県警によりストーカー規制法違反などの疑いで逮捕された。

   巷からは「85歳でストーカー!?」「元気だな85歳…」と驚きの声があがっているが、何も特別な事例ではない。近年ではこうした「高齢ストーカー」が急増しているのだ。

高齢の被害者も増加傾向に

年をとっても気持ちは衰えない(画像はイメージ)
年をとっても気持ちは衰えない(画像はイメージ)

   「老人の暴走」はこれまでにも度々報じられている。2009年4月には名古屋市の男(74)が約9000回にわたって知人女性(61)に無言電話をかけ、ストレスのため胃潰瘍にさせたなどとして、傷害と業務妨害の疑いで逮捕された。この男は約1か月前にも別の女性(61)に約6000回の無言電話をかけてうつ状態にさせたとして傷害容疑で逮捕されていたという。

   2010年11月には熊本市の男(82)が20代前半の女性会社員につきまとったとしてストーカー規制法違反の疑いで逮捕された。男は無職で、結婚歴がなく一人暮らしだったそうだ。

   急増の実態を示す資料もある。

   警察庁がまとめた統計データによると、2013年のストーカー認知件数は2万1089件で、うち男性が加害者になっているケースは1万8316件だった。年代別でみてみると、最多は30代の5377件で、全体の約4分の1(25.5%)を占める。以下、40代(4467件)、20代(4057件)と続き、20~40代だけで6~7割になっている。

   高齢者はどうかというと、60代と70歳以上を合わせても1919件で1割にも満たない。だが注目したいのは、その増加率だ。2003年の60歳以上の件数は473件。ここ10年で、なんと約4倍にまで増加している。ストーカー認知件数自体も10年前より増えているものの、他の年代をみてみると40代で2.6倍、30代で2.0倍、20代で1.7倍と、高齢者のみが顕著に急増しているのが分かる。

   高齢の被害者も増加傾向にある。13年では60代が552件、70歳以上が164件の計716件だったが、これは03年の約3.7倍、09年の約1.7倍にあたる。

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