外需への依存度が高い韓国には優位な指標だった
韓国経済がよくなれば、日本製品も買ってもらう機会が増えるので、マイナスではない。とはいえ、韓国経済は最近のウォン高の影響や世界的な景気低迷で、お世辞にも「よい」とはいえない状況だったはずだ。
2013年末には、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスが鉄鋼大手のポスコの信用格付けを、米ムーディーズも2014年2月にKTやLG電子、GSカルテックスの信用格付けを、収益力の低下などを理由に引き下げていた。
そんなに急激に回復するようなことがあるのだろうか――。
前出のエコノミストは、「これにはちょっとしたトリックというか、比べる基準が違うので結果も違ってくるということですね」と明かす。
たとえば、IMFの「世界経済見通し」では、購買力平価調整後の国民1人あたり所得とは別に、国民1人あたりのGDP(国内総生産)でも比べている。
IMFによると、韓国の1人あたりGDPは2012年に2万3680ドル、13年に2万5232ドル、14年に2万6992ドルと着実に伸び、16年に初の3万ドルを突破した後、17年には3万3032ドルに達する。
一方、17年の日本の1人あたりGDPは5万3762ドルと予測。まだまだ日本ほうが多い。
購買力平価調整後の国民1人あたり所得は、国内に加えて海外での所得も含んでいる。外需への依存度が高い韓国には優位な指標ということらしい。