「再申請に向けて検討していく」
一方、南九州市では、J-CASTニュースの取材に対し、遺書の選定などの配慮はしていないと担当者が説明した。本人と特定できた遺書はすべて申請しており、その中には、「大死一番」「七生轟沈」といった遺筆も入っていたとした。また、「神風」は海軍で使っていた表現で、知覧特攻隊は陸軍なのでその表現は使わず、申請で「神風」の表現を省いたわけではないという。
「特攻隊の姿をありのままに伝えようと心掛けました。それによって、命の大切さを訴え、悲惨な戦争をなくすのが目的です。説明がおかしかったのか、うまく伝わっていなかった点は反省していますが、決して特攻隊を美化しているわけでもありません」
とはいえ、ネット上では、ユネスコが候補外としたことを支持する声が少なくない。「自爆テロを遺産にできないのと同じ」「彼らを特攻に向かわせた者たちの責任を問うことのない『二度とあってはならない』という一般論では、世界で共感は生まれない」といった指摘が相次いでいる。「アウシュビッツのように負の遺産としてきっちりまとめればいけた思う」との声も出ていた。
これに対し、南九州市では、「批判の声や負の遺産とすべきとの指摘については、今は何ともお答えできません。申請は、世界的な重要性があると考えて行いました。今後は、アドバイザーの方と協議しながら、再申請に向けて検討していきます」と話している。