シンガポールを代表する大型リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」(MBS)が、敷地内のレストランでサメのひれの提供をとりやめることになった。
親会社のリゾート会社の環境保護方針によるものだが、フカヒレは中華料理では代表的な高級素材のひとつ。シンガポールは世界有数のフカヒレ流通地で反発も予想されるが、意外に「すばらしい決定だ」といった声が多い。
親会社の環境保護方針に従って「環境への影響を減らす強い決意」
MBSは2010年にオープンし、ホテル、ショッピングモール、カジノ、国際会議場といった施設を1か所にそろえた「統合型リゾート施設(IR)」として知られている。地上200メートルの屋上プールが目玉で、11年放送されたソフトバンクモバイルのCMでは、SMAPもロケをしている。カジノ誘致を目指す安倍晋三首相も14年5月に訪問したばかりだ。
MBSの14年6月11日の発表によると、今回の決定は親会社の米ラスベガス・サンズ社が2013人10月に定めた環境保護方針に従ったもので、「環境への影響を減らす強い決意のあらわれ」だと説明している。
発表文には、サメの保護活動を進めている「世界自然保護基金(WWF)」のシンガポール代表もコメントを寄せており、「サメは海洋生態系にとってきわめて重要で、サメの数は水産資源に直接的な影響がある」と指摘。今回の決定で、MBSが「企業の持続可能性という点で先見性とリーダーシップを示した」などと称賛した。