「検証実験の結果を踏まえ判断したい」
2014年5月8日の記者会見で理研の米倉実理事は、特許の取り下げについて「検証実験の結果を踏まえ判断したい」と述べた。検証実験は理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)で、論文共著者である丹羽仁史プロジェクトリーダーらが4月から行っていて、1年かけてSTAP細胞の真偽を見極めることになっている。
栗原氏はブログで「国内移行の期日には間に合わないんじゃないかと思います。結局、明示的取下げも国内移行もなしに、期日が来て、そのまま実質的取下げということになるのではないかと思います」と予測している。
では、このまま実質的な取り下げになった場合、他に特許を取られてしまうことはないのか。プライムワークス国際特許事務所の青木武司弁理士は、
「特許出願の内容は英文で国際公開されています。『後願排除効』というのがあって公開されたものと同じ技術について、後から特許を取ることはできません」
と指摘する。
STAP細胞が存在するかどうかや、発明が完成しているかどうは別として、「少なくともそこに書かれている、刺激を与えることによって何らかの細胞ができるという技術について、広い権利で権利化されることは妨げられることになります」
ということだった。