「警告を受けて自粛を求められた事実はない」
海保の報道官がJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、航行警報を出していることから、フジテレビに対しこのとき、危険なので西之島に接近しないで下さいと要請したという。
それでもフジ側が接近取材したことについては、「現場の状況によって危険度が違いますので、その是非について一概には答えられません」と話した。フジ側が噴火に巻き込まれた場合については、「海難救助が任務ですので、それを放棄することはできないです」と言っている。
気象庁では、2014年6月3日にレベルを上げて西之島の周囲に入山危険警報を出したが、フジ側からはそれまでに相談はなかったといい、接近取材を知ったのは放送後だった。警報では距離情報を入れていなかったため、11日になって、島の中心から6キロと定めて警報を出し直した。海保でも、これを受けて、同じ日に距離情報を入れて航行警報を出した。
一方、フジテレビの広報部では、取材に対し、今回の件で海保に相談したことは認めたものの、航行情報は、「火山活動継続中、溶岩、煙及び火山ガスを噴出、付近航行船舶は注意されたい」というものだけだったと答えた。海保がフジ側に接近取材をしないよう要請したとしたことについては、「危険だと警告を受けて自粛を求められた事実はありません」と言っており、認識が食い違っているようだ。
フジテレビには、視聴者からの意見が数件届いているというが、「ほぼ称賛のご意見で、批判はございません」と言っている。
ネット上では、フジの接近取材について、賛否が分かれている。疑問の声としては、「捜索やらなんやらでまわりがめいわくするんだよ」「雲仙普賢岳での悲惨な事故の経験が全く生かされていない」といった声が上がった。一方で、「自己責任でやらせりゃいいよ。戦争の取材だって危険だろ」「これはむしろフジテレビGJ!じゃないか」といった声も確かに出ていた。