STAP論文で今度は「ES細胞の可能性」 ますます窮地に追い込まれる小保方氏

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ES細胞論文ねつ造で追われた韓国人研究者

   小保方氏は、理研で行われているSTAP細胞の検証実験に5月下旬から立ち会っているようだ。毎日新聞6月11日付の朝刊によると、論文で示した手順に従って再現実験を実施し、今夏には中間報告が出る予定だという。本人助言の下で、論文に書かれていたのは本当にSTAP細胞だったのか、それともデータ解析で可能性が示されたES細胞か、はっきりするはずだ。

   仮にES細胞だったとなれば、小保方氏の「研究者生命」は窮地に追い込まれるだろう。既に論文については、英科学誌「ネイチャー」からの撤回に同意した。これでSTAP細胞の研究は白紙に戻ると見られる。理研からは、論文の画像データの一部で「改ざん、ねつ造があった」と判断され、近いうちに処分が下される見込みだ。

   共同研究者の若山教授は「週刊文春」6月19日号で独白し、4月の小保方氏の会見を聞いて「目の前が真っ暗になりました……ああ、このまま全部自分のせいにされるかもしれない、科学者でいられなくなるかもしれないと、不安に苛まれました」と精神的に苦しかった様子を打ち明けた。さらに「理研も小保方さんと一緒に私に全責任を押しつけるのではないかと不安でした」とも語った。以前は協力関係にあった小保方氏に対して、今は全く別の感情を抱いているようだ。

   かつて「ノーベル賞候補」とまで持ち上げられながら、その後に論文のねつ造が発覚してアカデミズムの世界を追われた人物がいる。当時、韓国・ソウル大教授だった黄禹錫(ファン・ウソク)氏だ。研究分野はくしくも、ES細胞だった。黄氏の科学者としての信頼は失墜し、ES細胞の研究全体にも大きなダメージを与えたはずだ。最近になって黄氏は研究の世界に戻ってきたようだが、一度失った信頼を取り戻すのは簡単ではないだろう。

   小保方氏は4月の会見で「この先、研究者としての道があるならば、STAP細胞の研究をできるだけ早く進めていきたい」と語った。だが、本人を取り巻く現状から見ると、その実情は非常に厳しいと言えそうだ。

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