セウォル号沈没で「韓国老朽原発」に不安広がる 今年に入り、不具合で4回も停止

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   セウォル号沈没に端を発した韓国の「安全不信」が、原子力発電所に飛び火している。

   事の発端は、韓国の原発輸出先であるアラブ首長国連邦(UAE)への大統領訪問だ。韓国の「安全神話」を守ろうとするならば、原発輸出より先に老朽化した原発を止めるべきなのでは、などと議論になっている。

野党大物「『安全な社会』に向かう意思あるのか」

   朴槿恵(パク・クネ)大統領は、セウォル号沈没の「国民向け談話」を発表した2014年5月19日午後、UAEへと旅立った。UAEは韓国が原発技術を提供した「お得意様」。翌日には韓国技術で建てられたUAE初の原発、ブラカ原発1号機の原子炉設置式に出席している。

   この訪問を19日の中央日報は「国益のために必要だと判断したからだ」と評価しているが、野党の12年大統領候補・文在寅(ムン・ジェイン)議員は20日、声明で「大統領自身が変わらなくてはならない」と批判した。

   文氏は、談話発表直後のUAE行きについて、「『安全な社会』に向かう意思が本当にあるのか」と問う。本気で「安全」を語るのならば、原発輸出よりも老朽化原発の停止を優先すべきで、日本の福島第1原発事故を引き合いに出しながら「原発から『安全神話』はありません」とくぎを刺している。

   特にやり玉にあげられているのは、古里(コリ)原発1号機と、月城(ウォルソン)原発1号機だ。古里は1977年、月城は82年に竣工し、どちらも設計寿命の30年を経過している。その後、古里は10年間の運転延長が決まり、月城も現在延長のための調査が行われている。なお古里1号機は12年2月、定期点検中に電源喪失事故が発生したが、事実が翌月まで公表されなかったため、国民の反感を買った。

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