崖っぷちユニチカに未来はあるのか フィルムや耐熱樹脂事業の拡大目指す

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   120年以上の歴史を持つ名門企業が崖っぷちだ。繊維大手のユニチカは、主力取引銀行の三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行などに対し金融支援を要請した。

   主力の繊維事業の不振で財務体質が悪化、2015年3月期には約160億円の債務超過に陥る見通しとなったため。繊維で創業したが、時代の変化に応じたスピーディな構造改革ができず、外部の力を借りての再建を余儀なくされた。

375億円の第三者割当増資を実施

じり貧状態に陥った名門企業、明日はあるか(写真はユニチカ企業ホームページのスクリーンショット)
じり貧状態に陥った名門企業、明日はあるか(写真はユニチカ企業ホームページのスクリーンショット)

   ユニチカは14年5月26日、経営再建策を発表した。銀行などを引受先として総額約375億円の第三者割当増資を実施するとともに、主要行には借入金の返済期限延長も要請。経営責任を明確にするため、27日付で安江健治社長(66)は引責辞任して、代表権のない取締役相談役に退き、注連(しめ)浩行取締役常務執行役員(62)が社長に昇格し、経営体制を刷新した。さらに、主力と位置づけてきた低採算の繊維事業については撤退も含めて大幅縮小する――というのが柱。具体的には建築資材に使う産業繊維事業のうち、不織布などに使うポリエステルの短繊維などの汎用品事業を縮小し、同製品を生産する岡崎事業所(愛知県岡崎市)の生産規模の見直しなどを進めるというリストラを断行するなど、2018年3月期までに繊維事業の売上高構成比を現在39%から35%に引き下げる一方、採算性が高いフィルムや樹脂など高分子事業の設備投資を強化し、構成比を現在の40%から50%に引き上げ、収益を上げられる企業体質に変える方針だ。

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