大島優子さん(25)が2014年6月9日にAKB48を離れたことで浮上しそうなのが、大島さんが初めてセンターポジションを務めた曲「ヘビーローテーション」の扱いだ。一度は事実上の「後継指名」が行われたに見えたが、「ヘビロテ=大島さんの曲」というイメージがあまりにも強く、メンバーからは大島さん以外がセンターに立つ姿を想像して「もう悲しくなってきて…」という声も出ている。
大島さんからは「封印でよくない?」という冗談も飛び出すほどで、後継問題はくすぶり続けている。
「ファンの皆さんが私にプレゼントしてくれた曲。これのおかげではばたけました」
「ヘビロテ」は、2010年の「選抜総選挙」で大島さんが初めてセンターポジションを勝ち取った曲で、オリコンの週間カラオケランキングでは10年11月から11年9月にかけて48週連続で首位の座を守った。カラオケ人気で裾野が広がり、14年2月23日にはユーチューブで邦楽としては初めて再生回数が1億回を突破している。
この曲は大島さんにとって特別な存在だ。AKB48卒業を発表した13年12月のNHK紅白歌合戦では、AKBは13年のヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」と「ヘビロテ」の2曲を披露。AKBが紅白で3年も前のヒット曲を歌うのは異例だ。
14年6月9日に東京・秋葉原のAKB48劇場で行われた卒業公演を締めくくったのもこの曲で、大島さんは曲への思いを、
「これはファンの皆さんが私にプレゼントしてくれた曲。これのおかげではばたけました」
と口にした。
一度は16歳・向井地美音が「後継」だとの見方も
この「ヘビロテ」、一度は後継者が決まったかに見えた。AKB48グループの楽曲に対してファンが投票し、ランキング形式で発表する「リクエストアワーセットリストベスト200」では「ヘビロテ」は39位にランクイン。4月6日にさいたまスーパーアリーナで行われたイベントでは、13年にAKB48に加入したばかりで、ほぼ無名の向井地美音(むかいち・みおん)さん(16)がセンターに立ったのだ。
向井地さんの起用は大島さんの意向によるもので、大島さんは当時のブログで、
「発見してほしかった逸材です」
と綴っている。これが事実上の後継指名だと受け止められた。
だが、大島さんの意向は「後継指名」とは少し違っていたようで、5月9日に朝日新聞デジタルに掲載されたインタビューでは、「ポスト●●」「後継者」といった言葉は「すごく好きじゃない」と明かしている。向井地さんの起用については、
「ベビーローテーションが大島優子の代表曲になっちゃってたりするし、逆に色がない子が入った方がいいんじゃないかと思って…。みおんちゃんは頭がいいし」
と説明している。4月6日のセンター起用が「後継指名」とまで言えるかは議論が分かれそうだ。
「もう歌わなくてよくない?封印でよくない?」
6月10日未明にはニッポン放送「ミュ~コミ+プラス」が卒業公演直後の大島さんのインタビューを放送している。このインタビューのやりとりからは、後継問題が白紙になったようにも理解できる。
インタビューを担当したのは、大島さんと同じ舞台に立っていたSKE48の松井玲奈さん(22)。
大島さんは、
「ファンの方と勝ち取った歌というのは、やっぱり一味違う」
「『自分の代表』となるものがAKB48の約8年間に残せてよかったと毎回思いながら歌わせてもらっている」
と「ヘビロテ」への思い入れを語った。
松井さんが、
「今日歌い終わってから、優子さんが真ん中じゃないヘビーローテーションを歌うんだと思ったら、もう悲しくなってきて…」
と嘆くと、大島さんは
「もう歌わなくてよくない?封印でよくない?ヘビーローテーション。ダメ?」
「やっぱ恋するフォーチュンクッキーもファースト・ラビット(編注:12年発売のアルバムに収録されている楽曲)も盛り上がるじゃん?だから、ヘビーローテーションは…、封印!アハハ!」
と笑い飛ばした。最後に
「いや、全然嘘ですけど。いいですよ、誰が歌っても大丈夫ですよ」
と一応のフォローはしたものの、「封印!」発言の真意をめぐる臆測が広がりそうだ。