「テレビで見ている人は心配しますよ」
加藤さんは14年6月9日放送のNHK「鶴瓶の家族に乾杯」に出演した。収録があった14年4月15日に鹿児島県南九州市を笑福亭鶴瓶さん(62)と訪れた。番組冒頭で、茶畑を見つけながらボーッと立っている加藤さんに鶴瓶さんは後ろから、
「大丈夫ですか?本当に!」
と声を掛けた。「まぁまぁ大丈夫」と元気なく返すと、
「分かってるんですか?反応遅いですよ」
と鶴瓶さんはツッコミを入れた。漫才のようなやり取りをしたかったようなのだが、表情は乏しく笑いには発展しなかった。
その後、2人はお茶屋に入り店の女性経営者と雑談した。店を創業したのはこの女性の父親で、73歳で亡くなったという話になったとき加藤さんは、
「あと2年だ」
と、ぼっそり呟いた。鶴瓶さんはあわてて、
「まだ死ねませんからね。若い娘(むすめ)と一緒になりましたから」
とフォローした。しかし、無表情で店の品を触っている様子を見て、
「私が一生懸命話しているときに何をしているんですか。テレビで見ている人は心配しますよ」
と叱った。鶴瓶さんがその女性に加藤さんの奥さんは26歳だと伝えると、女性は、
「いいお嫁様だということは全国に、テレビを通して教えてもらっています」
と語ると、加藤さんはこの番組で一番の笑顔を見せた。
しかし、表情が輝いたのはこの時だけで、道を歩くときもロボットのようにヨタヨタし、街の人と雑談しても言葉数が少なかった。