ドコモが切り札「音声通話定額制」導入 高音質を武器にLINEを「けん制」

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KDDIが今夏にも「かけ放題プラン」を導入?

   ドコモが通話料定額制に踏み切った以上、競合他社も追従するのは時間の問題だ。現に複数のメディアは、KDDIが今夏にも「かけ放題プラン」を導入する見込みだと報じた。SBMは、音声定額とパケット定額をセットにしたプランを4月21日に提供開始の予定だったが、「競争環境の変化に鑑み」延期し、ドコモ発表後の6月7日に改めて「7月から導入」と発表した。3社の足並みがそろえば、ドコモが2社から顧客を奪う決定打とはならないだろう。

   木暮氏は、定額制のねらいは「他社向け」だけでなく自社の顧客対策にあるのではないかとみる。ひとつは、キャッシュバックによる「乗り換え」優遇の廃止だ。一時の過熱ぶりと比べると現在は沈静化した感はあるが、定額プランを持ち込むことで「高額の現金だけ受け取り、最安プランを契約して、後は使わないユーザー」を排除したいというのだ。もうひとつは、大量データ通信の抑制。実は通話料とセットで提供されるパケット定額プランも、利用可能なデータ量に応じた料金に改定した。個人使用の場合、2GBと5GBの2プランだ。従来の最大7GBから上限を抑えており、ネットワークの負荷を減らす試みとも考えられる。

「音声を定額にして収入増を諦め、データ通信を収入の柱にする」(2014年6月2日付・日本経済新聞朝刊)
「各社は定額制の導入により、通話収入の減少を食い止めたい考えだ」(2014年6月1日付・毎日新聞朝刊)

   こうした報道から、通信会社にとって音声通話はもはや大きな成長が見込めないことが分かる。それでも木暮氏は「定額制の実現は国内では史上初で、インパクトは大きい」と評価する。ドコモはまず、課題となっていたキャッシュバックとデータ通信の過度利用の問題の解決を図る。一方で、今回発表した「VoLTE」の普及が進めば、相対的に3Gの利用頻度は減るため、使わなくなった3Gの帯域をLTE拡充のために活用できるといった効果も将来は期待できると、木暮氏は指摘する。データ通信量は年々大きく伸びており、その対策も欠かせないというわけだ。

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