同じエンジンを自社開発すると「100億円」
日産ルノー連合は、2010年4月、ダイムラーと株式を3.1%ずつ持ち合うほか、エンジンを共同開発するなどの戦略的提携を行った。この中でダイムラーは日産の高級ブランド「インフィニティ」向けにガソリンエンジンとディーゼルエンジンを供給することで合意。この中で「エンジン領域の協業は、それぞれのブランド・商品のアイデンティティーを尊重すると同時に、コスト競争力を目的に進める」と表明していたのだ。今回のスカイラインは、まさにその具現化の国内第1号といえる。
現行スカイラインは海外では「インフィニティQ50」として販売し、日本国内でもフロントグリルにインフィニティのオーナメントを冠するなど、実質的にインフィニティブランドとなっている。日産は今後、米国でメルセデス・ベンツのエンジンを共同生産し、両社の高級車に搭載する計画だ。
日産が今回と同じ高効率エンジンを自社開発するとなると、「100億円ほどの費用がかかる」(自動車メーカー関係者)という。その開発コストを抑え、メルセデス・ベンツのクウォリティーをインフィニティに取り込むことで、日産は世界で自らのブランド力を高める戦略だ。スカイラインは、その第一歩となる。