「よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しい」
デジタル版には、3月15日に2号機が危機に陥り、約650人が退避したときのことを振り返る吉田氏の発言が掲載されている。
「本当は私、2Fに行けと言っていないんですよ。ここがまた伝言ゲームのあれのところで、行くとしたら2Fかという話をやっていて、退避をして、車を用意してという話をしたら、伝言した人間は、運転手に、福島第二に行けという指示をしたんです。私は、福島第一の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに行ってしまいましたと言うんで、しようがないなと。2Fに着いた後、連絡をして、まずGMクラスは帰って来てくれという話をして、まずはGMから帰ってきてということになったわけです」
この記述を見ると、命令に違反して撤退したという大げさなものでなく、伝言ミスだったことがわかる。しかも、以下のくだりでは結局「第二」に行ったのは正しかったとも言っている。
「いま、2号機があって、2号機が一番危ないわけですね。放射能というか、放射線量。免震重要棟はその近くですから、ここから外れて、南側でも北側でも、線量が落ち着いているところで一回退避してくれというつもりで言ったんですが、確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」
門田氏はブログで上記発言を引用しながら、「吉田所長は福島第二に『行ってはいけない』とは全く言っていない。むしろ、その方がよかった、と述べている。これのどこが『吉田所長の命令に違反して、現場から退避した』ことになるのだろうか」と朝日新聞を批判する。