サッカーワールドカップのブラジル大会を目前に控え、日本代表は世界ランキング34位のコスタリカと強化試合を行い、3対1で逆転勝利を収めるなどチーム全体としての調子は上向きのようだ。
だが、イタリアの名門ACミランに移籍してから試合出場機会が少なく、不調が続く本田圭佑選手の動きは相変わらずさえなかった。本田を外す選択肢も考えるべきだという意見も出始めている。
「ボールを取られてしまったシーンが非常に多かった」
2014年6月3日のコスタリカ戦では、本田選手らしくないプレーが目立っていた。キーパーと一対一で向き合った時はシュートに悩み、絶好のチャンスを逃してしまった。ゴール前に走り込んだときに香川真司選手とポジションが重なって交錯する場面もあった。周りが見えていない状態に陥っていたようだ。
翌日のスポーツ紙の見出しには
「本田はまだ乗れない」(スポーツ報知)
「初キャプテンも珍しく弱音 本田キツいっす」(スポーツニッポン)
といった厳しい言葉が並んだ。
元日本代表の武田修宏さんも4日放送のTBSテレビ系「あさチャン!」で
「本田選手がボールを持つところで2つ3つ(多く)ボールを持つことによって、攻撃のリズムが少し遅れてしまった 」
「相手にボールを取られてしまったシーンが非常に多かったので普段の本田選手より良くなかった」
と指摘している。
本田選手はACミランでの出場機会があまりなく、コンディションを仕上げるための十分なプレー時間を確保できなかった。ザッケローニ監督はそれを考慮して、強化試合での積極的起用を明言していたが、5月27日のキプロス戦と今回のコスタリカ戦を終えても、動きが格段に変化することはなかった。
ワールドカップに向けた合宿地がある米フロリダ州で、本田選手は「あさチャン!」の取材に対し、
「(不調の心配は)当然の声といえば当然の声だと思うんですけど、(コンディションは)6割ぐらいまできてるんじゃないかと思います」
と答えている。
「中心選手だろうと、調子が悪けりゃ外すべき」
不調の本田を使い続けることにツイッターでは
「正直、本田と心中なんて勘弁してほしい。フットボールは11人、ベンチを入れたら23人のチームなんだ。中心選手だろうと、調子が悪けりゃ外すべきだ」
「W杯本番には間に合うまい。本田をいつ外すかでザックの手腕が問われるがこれまでの用兵を見る限りザックにそんな度胸はないだろうな」
など厳しい書き込みが少なくない。
6月5日の朝日新聞でも、サッカーの専門記者が、
「本田は日本代表の中心だから欠かせない、というのは本末転倒の論法。本田が中心に見えるのは活躍があってこそ。過去の実績は尊重するが今は目の前の試合を基準に評価すべきだ」
と辛らつに書いた。
さらに同記事では、
「ザッケローニ指揮下の国際試合の3分の1は本田抜きだった。出場した選手は『本田がいないから負けたと言われたくない』と意気込んだ。そうした試合のデータは、本田がいる時より攻撃的な数値を示した」
として他の選手を起用する選択肢も示している。