サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開催が迫る中、ブラジルでは多くの観戦客が訪れることで、国内で深刻化している18歳未満の「児童買春」に拍車がかかるとの懸念が広がっている。
そうした状況は複数のメディアが伝えているところだが、産経新聞グループのニュースサイト「MSN産経ニュース」が2014年6月2日に掲載した記事には、買春の方法を教示するような内容が含まれていたなどとして、インターネット上で「買春ガイド」と批判の声が上がっている。
少女たちが使う隠語も紹介
問題の記事は「ブラジルにセックス観光の恐れ 児童買春にも目を光らせるが…」とのタイトルで、W杯特設ページ内の「W杯余話」コーナーに掲載された。現在公開されている記事を見る限りは特に批判されるような箇所はなさそうだが、修正前の記事にはいくつかの「問題記述」が含まれていたようだ。
過去のウェブページを閲覧できるアーカイブサイトで、公開当初の記事を確認すると、18歳未満の少女による児童売春の横行を指摘した上で「売春に走る少女の多くは貧しく、料金も格安だ」と書かれ、買い手目線とも受け取れる「格安」の表現が見つかる。
さらに記事では、売春に携わる少女たちが使う「隠語」も紹介。はじめに「これらの少女と接触するのは意外なほどたやすいという」として、現地ではタクシーの運転手やホテルの従業員が斡旋するほかに、繁華街ではセクシーな服装に身を包んだ少女自らが声をかけてくると説明し、
「ここで使われる『セックス』を意味する隠語が『●●●●●』。『ハロー。どう? 私と●●●●●する?』といった具合。体面上、『18歳』と名乗ってはいても、実際は12~13際(原文ママ)という少女も多い」(●はJ-CAST編集部によるもの)
と、かなり具体的な「現地でのやりとり」にまで言及していた。
そして最後には、W杯期間中には多くの警察官が警備に動員されるため、摘発が手薄になりがちだと指摘した上で「とはいえ、そんなブラジルでも児童虐待は重罪だ。ガードを緩めていると、手痛い目にあうかもしれない」などと、買う際の注意を促すような記述まであった。