ヨーロッパ東南部のバルカン半島が「100年に1度」ともいわれる大洪水に見舞われ、多くの道路や住宅が流される被害が出ている。特に被害が大きいのがセルビア共和国で、国際社会に支援を求めている。
在京大使館も募金の受付を始めたところ、「震災で多額の義援金を送ってくれた親日国に恩返しを」とばかりに、寄付の呼びかけが広がっている。大使館側がクレジットカードでも寄付できるようにしたこともあって、募金をした人は少なくとも9000人にのぼっている。
わずか数日で3か月分の雨量に匹敵
バルカン半島では2014年5月13日から数日間にわたって豪雨が降り続き、その雨量はわずか数日で3か月分に匹敵するほどだった。5月22日時点で2万5000人が避難を余儀なくされ、約30万世帯で水や電気を使えなくなった。少なくとも17人が死亡し、セルビアは5月21~23日の3日間にわたって喪に服した。
現地では救援物資をはじめとした支援を必要としており、在京セルビア大使館は5月20日に募金を受け付けるページを開設した。直後から、ネット上では支援をよびかける声が広がっている。
ヤフー経由だとクレジットカードで寄付できる
大使館経由で寄付する場合は(1)直接大使館に持ち込む(2)現金書留で郵送する(3)専用の銀行口座に振り込む(4)クレジットカードやTポイントが使える「Yahoo! JAPANネット募金」を使う、といった多くの手段が用意されているのも特徴だ。クレジットカードで寄付できることがネット利用者にとって寄付を後押ししているとみられ、ヤフー経由では6月4日18時時点で9000人以上が約860万円を寄せている。
セルビア大使館によると、銀行振込や現金書留を合わせた寄付金額は集計中で明らかではないが、寄付をする方法に関する問い合わせも相次いでいるという。
日本赤十字社によると、14年4月時点で、東日本大震災で在セルビア日本大使館に持ち込まれたりセルビアから日赤の口座に振り込まれた義援金は約5600万円で、世界で40番目に多い。セルビアの企業や市民からセルビア赤十字に寄せられた募金額も約1億9000万円にのぼり、世界で24番目に多い。