女子大生の物欲を満たす「聖地」となっているのが巨大ショッピングセンターの「イオンモール」で、彼女たちは「イオン女子」と呼ばれるファッションリーダーだ――。そんな記事が日本経済新聞の「日経MJ」に掲載された。
彼女たちは「渋谷109」や「マルイ」、「ラフォーレ原宿」を去ったとも書いているが、ネットでは「イオンモールに女子大生はいない」「イオン女子などと呼ばれて気の毒」などと記事に対する反発が起きている。
パルコ、ラフォーレ、109から「イオンモール」を目指した?
「日経MJ」の2014年6月2日付けの記事によれば女子大生の居場所が変わっていて、人気のファッションビル渋谷109やラフォーレ原宿ではなく、都内近郊では埼玉県越谷市のイオンモール「レイクタウン」や「イオンモール北戸田」、和歌山市では「イオンモール和歌山」、山形県では「イオンモール天童」などで買い物をするようになった。東北の女子大生は仙台駅前の「パルコ」へ通う回数が減ったのだそうだ。「イオンモール和歌山」は14年3月にオープンし、一か月の来店者は10~20代が30代を上回ったという。
どうして女子大生の「聖地」になったのかといえば、イオンモールはテナント数が多く、都心のファッションビルに入店している人気ショップも入っている。購入前にどの商品がいいか各ショップを念入りに比較できるのも利点だ。
デフレ時代に育った「イオン女子大生」は「ブランド」や「背伸び」には無縁で、ショップへの執着が薄く、日経MJ調査では「洋服を購入する際に重視する点」のトップは「価格」が84%だった。月額のファッション代も「3000~4000円」がトップで31%だったと報じている。
「日本が脱デフレを果たしても、当面のファッションリーダーはこんな『イオン女子』が担いそうだ」
と書いている。
こうした記事に対しネットでは反発が起こっている。イオンモールには行くけれども女子大生らしい客は見たことがないし、どちらかというと「マイルドヤンキー」層がほとんど、というものや、
「この記事ってイオンのステマなんじゃないのか?」
「しかしイオン女子って…プラズマでも放出しそうだな」
「買い物をした女子大生の写真が新聞に載ったけど、イオン女子と呼ばれてかわいそう」
などといった意見が出ている。
「女子大生をメインターゲットにはしていません」と広報
本当に「イオン女子」が増えているのか、イオンモールの本社広報に話を聞いてみたところ、
「たしかに記事にある趣旨の取材は受けましたが、そもそもイオンモールは女子大生がメインターゲットではありませんし、私どもはお客様の年齢や性別、お住まいに関する情報は得ておりますが、それが女子大生か何の職業の方なのかは把握しておりませんので、女子大生のお客様が増えたという統計は持ち合わせておりません」
ということだった。
東京中野区に住む大学4年の女性に話を聞くと、イオンモールは家族で買い物に行くときに利用し、可愛いもの、安くていいものが見つかれば購入することがよくある。
「だからイオン女子と呼ばれてもそれほど抵抗はないのですが、私がよく利用するのはマルイです」
ということだった。
府中市に住む大学3年生の女性は、「イオン女子はバカにされているのと同じ」と手厳しい。自分を含め周りの女子大生はマルイや新宿のデパート、通販で買い物をすることが多い。もちろんイオンモールで買い物をする友人もいるが、
「イオンの場合は中学生くらいで買い物はしなくなり、高校生以降は好みのファッション店を探すようになります。イオンにあるものはそれなりに安いですが、それを買っている人がファッションリーダーだなんてことは認められません」
ということだった。