百田尚樹さんの小説「永遠の0(ゼロ)」が、向井理さん(32)主演でドラマ化されることになった。一般的には、さわやかなイメージで知られる向井さんだけに、「ミスキャストでは?」と心配する声もあるが、向井さん自身は「戦争」には強い関心があるようだ。
2007年から10年にかけて、度々ブログで「靖国問題」に触れていて、それらの記述が数年越しに注目されている。
「国の責任者が参拝するのは当然の義務」
テレビ東京は2014年6月4日、2015年に開局50周年の記念特番として、ドラマ「永遠の0」を3夜連続で放送すると発表した。百田さんが映画版と比較して「限りなく原作に近づいたもの」と太鼓判を押す内容で、向井さんは主人公の零戦(零式艦上戦闘機)パイロット・宮部久蔵を演じるため、頭を「丸刈り」にして撮影に挑むという。
向井さんは10年放送のドラマ「ゲゲゲの女房」(NHK)で漫画家・水木しげるさん役を演じて大ブレイクした。その後も甘いマスクや清涼感のある役を多く演じているため、ツイッター上では、
「イメージ違うかも。ドラマは見ない」
「向井理が悪い訳じゃないんだけど、イメージがね」
「主人公の宮部さんは、向井理のイメージじゃないんだよ‥映画がとても良かったからドラマ化はやめて欲しかったわ」
などと疑問や批判の声が多い。
しかし向井さんは以前、戦争について度々ブログで語っていた。ポツダム宣言受諾から丸65年となる10年8月15日には、
「決して終戦『記念日』ではありません。戦争に関わった人全てに於いて、まだ戦争は終わっていないからです。しかも北の地では65年前の今日以降もソ連と戦っていましたから」
と、「終戦記念日」の呼称に違和感を示している。
向井さんはその前日の14日に放送された終戦記念ドラマ「歸國(帰国)」(TBS系)に出演していた。倉本聰さん脚本で、向井さん、ビートたけしさん、長渕剛さん、小栗旬さんら演じる「英霊」たちが「昭和85年(2010年)」の東京駅に降り立ち、祖国の現在を調べていく作品だ。撮影前に靖国神社を参拝した向井さんは、「国の責任者が参拝するのは当然の義務なんじゃないのか」という劇中のセリフを引きながら、
「今日本はいろいろな問題を抱えていて、その一つに靖国神社に関することも含まれています。でも、じゃあ何故それが問題なのか?それを理解しなければ何も進まないと思います」
などと靖国問題に言及。8月15日が来るたび、戦時中の人々と比べて「ちゃんと生きて、生活できている」ことに幸せを感じるといい、
「当時を考えると今の自分は不平不満を言えるほど頑張っているのか疑問」
「必死になって日本の行く末を案じながら散っていった人達のことを考えると感謝の気持ちで一杯」
「さらにあの戦況下で無条件降伏まで持っていったのは凄いこと」
などと戦時下の日本兵を評価しながら、「一年に一回でも深く考えてみても良いんじゃないでしょうかね」と呼びかけている。