2年後の2016年度から実施
連合は5月27日、反対集会を全国47都道府県で一斉に開き、全国で2万2000人が参加するなど徹底抗戦の姿勢は変わらない。厚労省も、規制緩和の範囲拡大には抵抗する構え。具体的な制度は労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で慎重に議論し、2年後の2016年度から実施するが、審議会は労・使・中立の委員が議論するので、競争力会議のように一方的な企業ペースで進むわけではない。
長谷川修正案は本人同意を前提としていても、本当は本人が望んでいないのに、「希望しなければ昇進させない」と言われたら断れない恐れが指摘されている。次期経団連会長に就任する榊原定征・東レ会長が競争力会議後、「一般の労働者にも適用を広げることも検討してほしい」と早速述べたように、たとえ厚労省の抵抗で一気に大幅に緩和できなくても、「『岩盤規制』に風穴をあけるだけで企業には大きな前進」(霞が関筋)ということだ。