「4Kテレビ」に負けた「有機EL」は風前の灯 価格がネックで主要メーカー生産縮小、撤退へ

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55型有機ELテレビの価格は最安値でも60万円

   国内外のメーカーの「有機ELテレビ離れ」をにおわせる報道も出ている。日本経済新聞電子版は2014年5月14日、パナソニックが有機ELディスプレーの量産を2015年度から2016年度以降に先送りすると報じた。合わせてソニーは開発を、韓国サムスン電子は投資を、それぞれ凍結すると伝えた。ソニーとパナソニックは2012年、テレビ用有機ELパネルの共同開発で合意したが、2013年12月には早くも提携を解消している。

   有機ELテレビにとって最も大きなハードルは、価格だ。日経新聞によると、製造コストの削減が難しく「現時点では55型で価格が100万円以上になる見込み」という。たとえ高精細な画質とはいえ、これでは4Kテレビとは勝負にならない。海外で販売されている有機ELテレビの価格を米アマゾン・ドット・コムで確認すると、韓国LG電子製の55型・2013年モデルが最も安く、5999ドル(約60万円)。ほかは日本円で66万円~86万円と、いずれも現在国内で販売されている同型の4Kテレビよりずいぶん高値となっている。

   スマートフォンのディスプレーや業務用といった小中型のパネルは需要が高い有機ELだが、テレビのような大型パネルにするには技術的に難しく、歩留まりが悪い。技術面や価格面の課題が今後解消すれば、再び各メーカーが大型化に積極的になるかもしれないが、逆にこのまま撤収する可能性もあるだろう。

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