人気ロックバンド「SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)」の女性メンバーSaoriさん(27)がツイッターでいきなり「殺気だってる」などと怒りを露わにした。唐突な発言だったため、彼女の身に何が起こったのかとネットが騒然となった。
この日は国立競技場最後の音楽イベント「JAPAN NIGHT」に出演していたため、コンサートで何かが起きたためといった憶測が飛んだ。
演奏中に、多くの観客に座られてしまった
Saoriさんはバンドのキーボードと、ステージプロデュース、作詞作曲を担当している。美人でも知られるSaoriさんは2014年5月29日にツイッターで、
「殺気だってる。オリコン一位取っても、国立競技場でライブしても、こんな気分になるのか」
「こんな夜は、なんて叫んだらいいの。結果に出せないなら、なかったことと同じ。努力賞なんか要らない」
とつぶやいた。何に怒りを露わにしたのかは分からないが、つぶやいた内容から、この日に行われたコンサートイベント「JAPAN NIGHT」に関係していると推測した人が大勢いたようだ。
このイベントは音楽で日本に活力を与えることを目的としていて、今回は建て替えられる国立競技場に感謝の意を示すとともに2020年開催の東京オリンピックにエールを送ろうという目的も持っていた。
29日に出演したのはロックバンドの「L'Arc-en-Ciel(ラルクアンシエル)」とセカイそして、「Perfume(パフューム)」、「MAN WITH A MISSION(マン ウィズ ア ミッション)」で、観客は6万人を集めた。ラルクはどんな大きな会場でもチケットが一瞬でソールドアウトする大人気バンド。イベントライブに出演するのは珍しいため、観客の大半はラルクファンで埋め尽くされるのではないか、と予想されていた。
ライブでは観客全員が立ち上がり声援を送った。しかし、なぜかセカイだけが演奏中に、多くの観客に座られてしまったのだという。
「座り出したのはラルクファン。本来はフェスでは満遍なくどのアーティストとフォローするのが暗黙の了解でマナーなのに」
「セカオワファンすら凹んでたぞあれ」
「他のジャンルのバンドの曲が聞きたくないならフェスに行くなという話だ。悪いけど観客のレベルが下がってる」
などといったラルクファンに対する批判がネットで起こった。
「セカイに出演させた運営側のミス」
一方で、座った観客を擁護する声もある。セカイはラブソングやマーチなどの明るめの曲はあるものの、名前が示す通り陰鬱とした内容の詩に曲を付けたものが多い。実は演奏開始時はファンでない人も普通に聞いていた。それが一変したのは「銀河街の悪夢」という曲からだという。精神病で悩む男性の話を巡る歌詞があり、コンサートではいつも演奏のバックに過激なアニメーションが流れる。
「あの曲はなんだかなって思ったよ」
「周りがドン引きして座り出してたわ。サヨナラ国立ってイベントなんだし、TPOは考えた方が良かったな」
などといった感想も出ている。
音楽評論家の加藤普さんは今回の論争についてこう見ている。みんなが仲良しで同じ反応をしなければならないというのは非常に幼稚な議論であり、ロックの鑑賞の仕方を全く分かっていない。そもそもロックは社会や人生に対する「反抗」を音楽にしたものであり、バンドによって信念や表現が違ってくるため、好き嫌いがはっきり分かれてくる。
「今回の場合、そもそもファン同士がいがみ合うのは変な話で、明るい未来に突き進もうというコンセプトの中でセカイに出演させた運営側のミスなんです。もちろんセカイが悪いのでもありませんし、開催のコンセプトに合ったバンドを選ぶべきで、ファンは運営側に抗議をすべきなんです」