舞の海の「外国人力士に対する排外発言」報道に疑問  講演動画見て「正反対だった」の声相次ぐ

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「がんばれ!」の声には「これは難しい」

   では舞の海氏は、実際にはどのようなことを語っていたのか。序盤では大相撲の起源から日本に渡ってきてからの長い歴史を紐解き、持ち前の豊富な知識で、各時代の天皇との関わりも交えつつ丁寧に解説していた。

   現在の大相撲に話が及ぶと、

「最近よく聞かれるのだが、『外国人が強すぎて相撲を見なくなった』という人がとても多い。(NHKの)解説では言わないが、現役の頃はハワイ勢の『黒船来航』と言われ、ハワイ勢が引退した後は『蒙古襲来』」

と話して笑いを誘う一幕もあった。

   だがその直後には「日本の相撲を変えるか、モンゴル勢に制圧されるかという見方もできるが、見方を変えれば、今大相撲を支えているのは実はモンゴル人。モンゴル人がいるからこそ、私たちは横綱の土俵入りが見れる」と続けた。

   さらに「日本の大相撲界でお金を稼ぎ、家族の面倒をみる」というモンゴル人力士たちの決意を指摘。一方で、日本の力士については「3年、5年やってダメだったら田舎に帰って仕事を探せばいいかなという人もたくさんいる」として、意識の違いを紹介した。

   週刊金曜日のいうように「外国人力士を排除したらどうかと言う人もいる」という発言もあったが、客席から「がんばれ!」との声が飛ぶと「これは難しい」とした上で、「ハワイから高見山さんを連れてきた(スカウトした)時点からもう後戻りはできない。もし今そうしようと思ったらモンゴルとの外交問題になり、レアアースを輸出してもらえなくなるかもしれない」と冗談を交えた。

   「世の中グローバル化というが、相撲界は一昔、二昔前にはグローバル化されている。20年後30年後は幕内の全取組が外国人同士ということになるかもしれない」とも語ったが、こちらでも笑い声が起こり、「排外主義的空気が顕著」というより、舞の海氏の「漫談」を楽しんでいるという様子が伺えた。

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