元大相撲力士の舞の海秀平氏が「排外発言」を行ったという報道に、インターネット上で続々と疑問の声が上がっている。
「週刊金曜日ニュース」は2014年5月22日、「"昭和天皇万歳"集会で――舞の海氏が排外発言」と題した記事を公開したのだが、実際の講演動画をみてみると、「排外発言」とはとても言い難い内容だったというのだ。
「会場は排外主義的空気が顕著に」?
舞の海氏は、4月29日に東京・明治神宮会館で開催された「昭和の日をお祝いする集い」に出席し、「昭和天皇と大相撲」をテーマにした記念講演を行った。週刊金曜日の記事によると、舞の海氏は講演の中で、
「外国人力士が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えないが、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」
「天覧相撲の再開が必要だ。日本に天皇がいたからこそ、大相撲は生き延びてこられた。天皇という大きな懐の中で生かされていると感じる。皇室の安泰を」
などと語ったという。外国人力士について言及した後には、会場から拍手が起こり、「"日の丸"旗を手にした男性が『頑張れよ』と叫び、会場は排外主義的空気が顕著になった」と伝えている。
この報道はネット上で話題になり、舞の海氏に対しては、
「なんとも愚かな発言だ」
「こんな愚かな解説者だったのか、知らなかった。見識を疑う」
「舞の海って思ってたよりもずっと残念なオツムだったんだな」
「舞の海発言の情けなさったらないな」
などと批判的な意見が相次いでいた。
だが記事公開から間もなくすると、「排外発言どころかモンゴル勢をたたえている」などと疑問の声も出るようになった。日仏共同テレビ局のYouTubeアカウントが舞の海氏の動画をアップしていたためだ。これを見た人たちからは「むしろ正反対のことを言っている」といった指摘があり、28日には、冷泉彰彦氏もニューズウィーク日本版サイトの連載コラムで「『排外発言』とは正反対だった『舞の海氏の講演』」と題した記事を公開。週刊金曜日の記事を引用して書いていた以前のエントリを訂正、謝罪した。